麗し着物日和 vol.2 <新潟/清津峡渓谷トンネル>

着物姿が映える日本各地のとっておきの場所をご紹介する道中記。第2回目は壮大なパノラマビューが圧巻の「清津峡渓谷トンネル」に着物で入坑してみました。

新潟県の観光スポットである清津峡渓谷トンネル。着物で楽しむおでかけ/紀行

新潟県・越後妻有を代表する日本有数の景勝地「清津峡」にある清津峡渓谷トンネル。かつてこの地は海底にあり、海底火山により火山灰とマグマが降り積もる場所でした。緑色凝灰岩の地層に入り込んだマグマが固まって柱状節理を作り、川が岩壁を削って谷となり、現在の清津峡の姿となりました。荒々しいV字の大渓谷とエメラルドグリーンの清流が織りなす絶景は息をのむ美しさ。

新潟県の観光スポットである清津峡渓谷トンネル。着物で楽しむおでかけ/紀行

1600万年前にまで遡るという「清津峡」の歴史。自然が生み出した荘厳な渓谷を楽しめるトンネルが、2018年に世界的な建築デザイン事務所MADアーキテクツによって「Tunnel of Light」という名の巨大なアート施設「清津峡渓谷トンネル」となりました。

全長750mのトンネルを外界から遮断された潜水艦に見立て、外を望む潜望鏡として3ヶ所の見晴所と、終点にはパノラマステーションを展開。自然の5大要素である木、土、金、火、水をデザインに取り入れ、アーティスティックな雰囲気を作り出しています。

新潟県の観光スポットである清津峡渓谷トンネル。着物で楽しむおでかけ/紀行

清津峡渓谷トンネル内は見晴所ごとに、異なる光に照らされてミステリアスな空間に。映画のワンシーンのようなサスペンス的な雰囲気から、誰に追いかけられているわけでもないのに、足早になってみたり。着物の裾が高速で擦れる音がトンネル内に響きます。

新潟県の観光スポットである清津峡渓谷トンネル。着物で楽しむおでかけ/紀行

新潟県の観光スポットである清津峡渓谷トンネル。着物で楽しむおでかけ/紀行

こちらは、黒と白のストライプのパターンで覆った第2見晴所の「Flow」。無機質なストライプと自然の息吹を融合させたダイナミックな空間になっています。

さらにトンネルを進むと、第3見晴所の「しずく」に到着。湾曲した壁に配した凸面鏡で水の分子を表現した物体は、周囲を映し込み、光の反射によりリズミカルに躍動しているように見えます。

新潟県の観光スポットである清津峡渓谷トンネル。着物で楽しむおでかけ/紀行

人工的な光の先にあるのは、清津峡渓谷トンネルの終点「ライトケーブ(光の洞窟)」。ここは、半鏡面仕上げのステンレススチールを用いたトンネルで、渓谷の沢水をはった「水盤鏡」が雄大な景観を反転して映しだし、幻想的な眺めを演出しています。

新潟県の観光スポットである清津峡渓谷トンネル。着物で楽しむおでかけ/紀行

坑内は終点までなだらかに上り続けていますが、歩きやすく舗装されているコンクリートなので草履でも全く問題なし。四季の移ろいもとても美しく、季節に合わせたお着物で、雄大で荘厳な峡谷美を堪能してみてはいかがでしょうか。

新潟県の観光スポットである清津峡渓谷トンネル。着物で楽しむおでかけ/紀行

清津峡渓谷トンネル
新潟県十日町市小出癸2119-2
<時間> 8:30~16:30(17:00閉坑)
<定休日> なし
*冬季は降雪により臨時休坑あり
<入坑料> 大人(高校生以上)800円、子供(小・中学生)400円、未就学児は無料 
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