十日町明石ちぢみ/新潟県

十日町明石ちぢみ

読み・とおかまちあかしちぢみ
産地・新潟県十日町市

蝉の翅(せみのはね)に例えられるほど薄地で張りのある布地と、清涼感のある肌触りが特徴の夏用の絹縮です。1818~1829年に、宮本茂十郎によって確立された「絹縮」や「十日町透綾」と呼ばれていた技法が起源といわれています。十日町明石ちぢみの誕生は、1887年頃、新潟県柏崎町の越後縮の問屋・洲崎(すのさき)栄助が、西陣の織物業者・播州明石の「明石ちぢみ」を研究している様子を見て、西陣より湿度が高く越後縮以来の強撚の技術をもっている十日町の方が織るのに適していると考え、十日町の機業家に見せて研究をすすめたのが発端と伝えられています。特色は、強撚糸の緯糸にあり、八丁撚糸機により27デニールの糸に1mあたり約4,000回の撚りをかけています。そのため、不純物の少ない最高級の糸を原料にしないと作れないといわれています。夏の高級おしゃれ着として人気を集め、1982年に伝統的工芸品に指定されました。

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新潟県十日町市の清涼感のある肌触りが特徴の夏用の絹縮の十日町明石縮/明石縮。1982年に伝統的工芸品に指定。
写真提供/十日町織物工業協同組合
新潟県十日町市の清涼感のある肌触りが特徴の夏用の絹縮の十日町明石縮/明石縮。1982年に伝統的工芸品に指定。
写真提供/十日町織物工業協同組合