麗し着物日和 vol.4 <TENJIN/ROKU KYOTO, LXR HOTELS & RESORTS /京都>

着物姿が映える日本各地のとっておきの場所をご紹介する道中記。第4回は京都・洛北エリアにあるレストラン「TENJIN/ROKU KYOTO, LXR HOTELS & RESORTS」を訪ねました。

京都最古の神社のひとつ「下鴨神社」がある洛北エリアは市内から北に位置し、自然豊かで静寂な美しさを感じられる景色が広がっています。琳派発祥の地と言われ、古くから芸術家たちに愛されたこのリゾート地でもあります。
この地に2021年に開業した「ROKU KYOTO, LXR HOTELS & RESORTS」は、LXR ホテルズ&リゾーツとしてアジア太平洋地域において初進出となったヒルトンが誇るラグジュアリーホテルです。

鷹峯三山の麓にあり、敷地内には天神川が流れる自然美に溢れたホテルの1階にあるのが、四季折々の厳選素材をフレンチの技法で華麗に仕上げるレストラン「TENJIN」です。店内のインテリアは「竹」をテーマにしたアートワークが施され、落ち着いた雰囲気が広がります。窓際の席も気持ちいいですが、自然を満喫できる開放的なテラスも魅力的です。

季節の味覚や地元野菜にこだわり、五感に響く工夫を凝らした美しい料理の数々がゲストを楽しませてくれます。
例えば、ある日の前菜には、瞬間的にスモークしたマグロにアボガドと地野菜を合わせたサラダ。燻製の香りをほのかに纏ったマグロが、クリーミーなアボガドと調和しています。

魚料理には「丹後くじ」「アコウ」もありましたが、「帆立貝」をチョイス。秋トリュフがふんだんに散りばめられ、芳醇な香りが食欲をそそります。さらに、大ぶりな帆立の間にもトリュフを忍ばせているという憎い演出。

そしてデザート。無花果のコンポートをホワイトチョコレートでコーティングしたものに、白餡でモンブランを表現。遊び心と芸術性が見事な逸品です。

シグネチャーカクテルも充実。前述のとおり桃山時代後期まで遡る琳派発祥の地ということで、その潮流を江戸時代に大成させた尾形光琳の名をつけた「光琳」をいただいてみました。日本酒をベースに、和ぶさん、抹茶、柚子を使った深い味わいのカクテル。尾形光琳が金箔を1000枚以上使って制作したといわれる国宝「燕子花図屏風」のように、贅沢に金箔がたっぷりとあしらわれています。

「ROKU KYOTO, LXR HOTELS & RESORTS」が、しょうざんリゾートの敷地内にあることから、しょうざんの一珍染のお着物で訪問。一珍染も桃山時代の染色技法のひとつとして今に伝わる貴重な技術です。かつて、この地で過ごした画家や作家たちが、いま目の前に広がる鷹峰の雄大な自然を同じように眺め、素晴らしい作品を生み出してきたと思うと、こみあげてくるものがあります。
京都市内から少し足をのばし、自然と歴史に向き合いながら、美食に舌鼓を打つ時間の過ごし方はいかがでしょうか。


TENJIN
ROKU KYOTO, LXR HOTELS & RESORTS
京都府京都市北区衣笠鏡石町44-1
TEL:075-320-0111(代表)
<営業時間>
朝食:7:00~11:00(10:00 L.O.)
ランチ:12:00~(14:00 L.O.)
アフタヌーンティー:14:00~17:00(15:00 L.O.)
ディナー:17:30~22:00(21:00 L.O.)
ザ バー:17:30~24:00(23:00 L.O.)
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