マティス 自由なフォルム

会期| 2024年2月14日(水)〜5月27日(月)
会場|国立新美術館・企画展示室2E(東京都港区)

ニース市マティス美術館展示風景 2022年 
©Succession H. Matisse pour l’œuvre de Matisse Photo: François Fernandez

マティスが晩年、精力的に取り組んだ切り紙絵に焦点を当てた日本初の展覧会が開催。絵画、彫刻、版画、テキスタイル等の作品や資料など約150点が紹介されます。マティスがその60年以上におよぶ創造の歩みにおいて、熟慮と試行を重ねた末に到達したのは、アシスタントに色を塗ってもらった紙をハサミで切り抜き、それらを組み合わせて活き活きとした構図に仕立てあげる切り紙絵でした。筆とカンヴァスの代わりにこの「ハサミでデッサンする」手法で、自由自在に色とかたちを生み出し、そのキャリアの絶頂期を迎えたマティス。長い芸術家人生で最後に到達した記念碑的な表現に迫ります。

アンリ・マティス《花と果実》1952-1953年 切り紙絵 410×870cm ニース市マティス美術館蔵 
©Succession H. Matisse Photo: François Fernandez

見どころは、ニース市マティス美術館のメインホールで来場者を迎える切り紙絵の大作《花と果実》。マティスの切り紙絵の作品の中でも最も巨大な部類に入るこの作品は、5枚のカンヴァスが繋がって構成されています。壁面の一面を覆う広大な画面はあたかもタペストリーのようで、鮮やかな色彩によって装飾的豊かさが加わっています。本展の出品にあたり2021年に大規模な修復が行われました。

ヴァンスのロザリオ礼拝堂(内観) 
©Succession H. Matisse Photo: François Fernandez

また、展示室内にニース郊外のヴァンスに建つロザリオ礼拝堂を体感できる空間を再現。ロザリオ礼拝堂は、最晩年のマティスが切り紙絵を応用し、建築の室内装飾や司祭服をデザインした、マティス芸術の傑作です。

アンリ・マティス《ブルー・ヌード IV》1952年 切り紙絵 103×74cm 
オルセー美術館蔵(ニース市マティス美術館寄託) ©Succession H. Matisse Photo: François Fernandez

さらに、切り紙絵の代表的作例である《ブルー・ヌードⅣ》も出品。晩年に大病を患って以降、新たな表現手法として精力的に取り組んだ切り紙絵を通して、色彩とデッサンの関係を刷新したマティス。筆とカンヴァスに代えて、紙とハサミを主な道具とし、芸術家人生の集大成ともいえる作品の数々をお楽しみください。

 制作中のマティス 1952年頃 ©photo Archives Matisse / D. R. Photo: Lydia Delectorskaya

マティス 自由なフォルム

会期 2024年2月14日(水)~2024年5月27日(月)
会場 国立新美術館・企画展示室2E
東京都港区六本木7-22-2
会館時間 10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
休館日 火曜
※但し、4月30日(火)は開館
観覧料 一 般 2,200円
大学生 1,400円
高校生 1,000円
中学生以下無料
※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料。
※4月3日(水)~8日(月)は高校生無料観覧日。
お問合せ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式HP マティス 自由なフォルム

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