甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性

会期| 2023年7月1日(土)〜 8月27日(日)
会場|東京ステーションギャラリー(東京都千代田)

《春》 1929(昭和4)年 メトロポリタン美術館、ニューヨーク
Purchase, Brooke Russell Astor Bequest and Mary Livingston Griggs and Mary Griggs Burke Foundation Fund, 2019 / 2019.366

大正から昭和にかけて京都で活躍した画家、甲斐荘(甲斐庄)楠音(1894~1978)。国画創作協会で彼が発表した作品は美醜相半ばする人間の生々しさを描いて注目を集めましたが、やがて映画界へ転身し、風俗考証等でも活躍しました。本展では、彼が携わった時代劇衣裳が東映京都撮影所で近年再発見されたことを受け、映画人・演劇人としての側面を含めた彼の全体像をご覧いただきます。スクラップブック、写生帖、絵画、写真、映像、映画衣裳、ポスターなど、甲斐荘に関する資料のすべてを等しく展示し、その「越境性」と「多面性」を紹介します。甲斐荘の意欲作《春》が、ニューヨーク・メトロポリタン美術館から凱旋展示されるのが見どころのひとつ。昭和初期の傑作であり、圧倒的な存在感を感じられる秀逸な作品は必見です。

虹のかけ橋(七妍) 1915〜76年、京都国立近代美術館

甲斐荘は、衣裳・風俗考証家として、日本の時代劇映画の黄金期を支えた人物。本展に展示される映画衣裳の制作には甲斐荘が携わっています。名優・市川右太衛門が袖を通した豪華絢爛な衣裳など、東映京都撮影所に保管されていた衣裳の数々も展示されます。さらに、甲斐荘が『雨月物語』(溝口健二監督・1953年)のために考案し、アカデミー賞衣裳デザイン賞にノミネートされた衣裳もパリのシネマテーク・フランセーズから海を越えて来日します。

『旗本退屈男 謎の暗殺隊』衣裳(部分) 東映撮影所(c)東映(映画公開=1960年、監督=松田定次、製作・配給元=東映株式会社、衣裳着用者=市川右太衛門)

『旗本退屈男 謎の暗殺隊』衣裳(部分) 東映撮影所(c)東映(映画公開=1959年、監督=佐々木廉、製作・配給元=東映株式会社、衣裳着用者=市川右太衛門)

デカダンス薫る大正画壇の異才にして、昭和チャンバラ時代劇の陰の立役者。そして芝居を愛し、自らも演じることに興じた趣味人にして数寄者。多彩な作品と資料から、甲斐荘の知られざる「越境性」が明らかになる過去最大スケールの回顧展をお楽しみください。

太夫に扮する楠音 京都国立近代美術館

甲斐荘楠音の全貌 ― 絵画、演劇、映画を越境する個性  

会期 2023年7月1日(土)〜 8月27日(日)
会場 東京ステーションギャラリー
東京都千代田区丸の内1-9-1
開館時間 10:00~18:00(入館は閉館の30分前)
*金曜は20:00まで
休館日 月曜(7/17、8/14、8/21は開館)、7/18(火)
入館料 一 般 1,400円
高校・大学生 1,200円
中学生以下無料
障がい者手帳をお持ちの方は100円引き
(介添者1名は無料)
お問合せ 03-3212-2485
公式サイト 甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性

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