西陣織/京都府

西陣織

読み・にしじんおり
産地・京都府京都市

西陣織(にしじんおり)は京都府京都市の西陣地域で生産されている日本を代表する絹織物です。西陣とは京都の北西部(上京区、北区)にあたる地域の名称をいい、1000年以上の歴史を誇ります。歴史は、5~6世紀頃に秦氏により伝えられた養蚕と絹織物の技術が起源といわれています。1467~1477年の応仁の乱の際、避難していた職人が織物作りを再開した地域一体が、西軍の陣地があった土地だったことから、「西陣」と呼ばれるようになりました。西陣織は、生地を先染めした糸を使い、模様を複雑に織り出しているため、完成までに多くの工程を要します。華麗で格調高い雰囲気から礼装用の帯として合わせられます。また、一般的な後染めの染色法よりも丈夫でシワになりにくいのが特徴です。西陣織といえば、帯が有名ですが、ほかにも紬、御召、綴、唐織、羅、錦、緞子、金蘭など、帯から着尺、法衣まで多様な種類の織物が織られています。
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西陣織の種類

「綴(つづれ)」
平織を応用した綴織(つづれおり)は、よこ糸で紋様を織り出すため、たて糸に比べ3倍から5倍も密度の大きいよこ糸でたて糸をつつみ込むようにして織られたもの。

「経錦(たてにしき)」
経糸によって、地の文様が織り出されています。例えば、3色の配色による織物であれば3色3本の経糸を1組として、これが互に表裏浮沈交替して地や文様を織り出しています。

「緯錦(ぬきにしき)」
種々の彩糸を駆使して紋様を織り出した織物の総称であり、織物の中では最も華麗なものの代名詞的につかわれています。

「緞子(どんす)」
織物の三原組織のひとつ繻子織(しゅすおり)。経糸と緯糸が各5本ずつの「五枚繻子」の表裏の組織をそれぞれ地あるいは紋に用いたもの。

「朱珍(しゅちん)」
繻珍とも書き、経繻子(たてしゅす)の地に、金糸や銀糸など2種類以上の色糸を使って紋様を浮き彫りにした織物です。

「紹巴(しょうは)」
もともとは茶道具等を包む布「名物裂」で、経緯ともに強撚糸を用い、細かい横の杉綾状または、山形状の地紋をもっています。

「風通(ふうつう)」
普通の織物の断面は一重ですが、断面が二重、三重になった多層織物。中に風が通るとの意味から風通と名づけられています。

「綟り織(もじりおり)」
隣り合う経糸が搦み合い、編物のように見えるのが特徴です。綟り経糸が、緯糸1本または数本ごとに地経糸の左右にその位置を変えて組織し、緯糸と緯糸との間に隙間が作られたものです。2本の経糸が互いに絡み合うのが「紗」。紗を織った後に平織りを織ると「絽」になります。

「本しぼ織り(ほんしぼおり)」
経緯ともに練染した絹糸を用い、経糸は甘撚り緯糸は御召緯といって練糸を適当な太さに引揃え、下撚りをかけ糊を施し、これがまだ乾かないうちに強撚りをかけたものです。

「ビロード」
西陣のビロードは特有の羽毛や輪奈をつくるため横に針金を織り込み、後で針金の通った部分の経糸を切って起毛したり、引き抜いて輪奈を作る有線ビロードです。

「絣織(かすりおり)」
たて糸とよこ糸を部分的に防染して平組織に織り上げて何らかの紋様を表したものです。

「紬(つむぎ)」
真綿を手ツムギした糸をたて糸、よこ糸に使用して手機で絣、縞、白などに織り上げた先練、先染めの平織りの織物です。

西陣織