結城紬/茨城県

結城紬

読み・ゆうきつむぎ
産地・茨城県結城市

結城紬は茨城県を産地とする、真綿から人の手で糸を紡ぐことで、空気を多く含み、暖かい心地よさが特徴の高級絹織物です。。関東平野の中央・筑波山の裾野を流れる鬼怒川沿いの肥沃な土地で、古くから養蚕が盛んな織物の産地です。結城紬の歴史は、奈良時代の書物に記録が残っているほど古く、朝貢として朝廷に上納されていたといわれています。上納されていた「絁(あしぎぬ)」とは、手でつむぎだした太糸の絹織物で、現在も日本各地に残る紬織物の原形とされています。そして、この古代からの作り方を今も行なっているのが結城紬です。そして、鎌倉時代には「常陸紬」と呼ばれ、この地を統治していた結城氏によって保護育成され、1602年に結城紬と名づけられたといわれています。江戸時代になると信州上田や京都西陣から技術を導入したことで、結城紬の知名度が高まりました。結城紬の織柄として代表的な文様に亀甲があり、80、100、160の細かさで表現されます。ふわりと軽く、丈夫でシワになりにくいという特徴から「三代着て味が出る」と言われるほど。着るたびに味わいが増していくのが結城紬の魅力といえます。全行程が手作業で行われ,その中でも糸つむぎ・絣くくり・地機織りの3工程は、1956年に国重要無形文化財に、1977年には国の伝統的工芸品に指定、2010年には「本場結城紬」の名でユネスコ無形文化遺産に登録されました。

本場結城紬卸商協同組合