読谷山花織/沖縄県

読谷山花織

読み・よみたんざんはなおり
産地・沖縄県中頭郡読谷村

南国情緒溢れる読谷山花織は、織り地に先染めされた糸で花柄を組み合わせた幾何学の文様を織り込んでいる織物です。素材は絹糸や綿糸を用い、染料には琉球藍や福木、すおうなどが用いられています。可憐な花柄にはそれぞれ意味があり、長寿を祝う風車の形を模した「カジマヤーバナ(長寿)」、お金に似せた模様の「ジンバナ(裕福)」、末広がりの扇の模様をした「オージバナ(子孫繁栄)」など、基本模様に縞や格子を組み合わせ、立体感のある模様を作り出しています。読谷山花織は、朝鮮への贈り物や、ジャワから琉球王国への贈り物として記録が残っていることから、15世紀には生産されていたといわれています。当時の琉球王朝は中国や東南アジアと交易を盛んに行っていたため、外国の品や技術が伝えられたと考えられています。大変な手間がかかる織物のため、王族、貴族以外は花織が織られていた読谷村の住民だけしか身につけることができませんでした。1609年に琉球王国が薩摩藩の侵攻を受け、読谷山花織を貢納布として納めるようになったことで、技術が向上していきました。明治時代中期に衰退しましたが、1964年に織物の技術者たちにより復興されました。