久米島紬/沖縄県

久米島紬

読み・くめじまつむぎ
産地・沖縄県久米島町

久米島紬は、沖縄県久米島で生産されている紬です。素朴でしなやかな風合いと独特の深い色調に特徴があります。沖縄特有の絣模様や、泥染による光沢のある黒褐色が有名です。久米島紬の制作は、図案の選定、染色の原料の採取、糸の染め付け、製織のすべての工程を1人の織子が手作業で行なっています。紬糸か引き糸を使用し、島内に自生する植物を使った草木染めや泥染めの手法で染め上げます。久米島紬は室町時代にはすでに織られていたという歴史があり、沖縄県の三山時代(1322~1429年)に、家来頭の堂之比屋が中国に渡り、養蚕の技術を習得して絹織物を織り始めたのが始まりといわれています。江戸時代、薩摩藩に貢納布として納めるようになった紬を改良するため、1619年に尚豊王の命令により、越前国から坂元普基が来島し養蚕や真綿の製法が新たに伝えられ、その後、薩摩より友寄景友が来島し染色技法を伝えたことにより、久米島紬の基礎が築かれたといわれています。やがて、久米島の紬は江戸に送られ、「琉球紬」の名で知られるようになりました。2004年、国の重要無形文化財に指定されました。