大和絣
読み・やまとがすり
産地・奈良県大和高田市
白い木綿地に十字や井形の藍染め模様を施した奈良伝統の大和絣。木綿の白絣として有名で、かつては「西の大和絣・東の中野絣」と称されていました。その歴史は宝暦年間にまで遡り、1751~1763年に織物の技術が改良され、大和絣が織られるようになったといわれています。1830~1843年に絹織物禁止令が出されると、大和絣への注目が集まり需要が増え、絣模様のデザインと染めの良さで盛んに生産されるようになりました。明治時代には、木綿の白絣として全国的に有名になりましたが、安価な綿の輸入や生活様式の洋装化などの影響により、1965年頃には生産が完全に途絶えました。しかし、2020年に染織家の亀山知彦氏が復元。もともと大和絣は分業だったため、それに伴う道具が残っていない中、各地方の様々な技法を取り入れ、幻といわれた大和絣の復元に成功しました。
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写真提供/TOMOHIKO KAMEYAMA