桐生織/群馬県

桐生織

読み・きりゅうおり
産地・群馬県桐生市

桐生織は、糸を先に染めて織って柄を出す、先染め紋織り(ジャカード織り)の技法で、素材感や独特の風合いが特徴的な高級感あふれる織物。群馬県桐生市周辺は昔から養蚕が盛んで、京都の西陣と並ぶ歴史が古い織物の町のため、「西に西陣・東に桐生」といわれていたほどです。桐生織は1000年以上の歴史があり、奈良時代の714年に「黄あしぎぬ」と呼ばれる織物を納めた記録が残っています。起源となった背景に、737年~806年、現在の群馬県にあたる上野国から朝廷へ宮使いをした一人の男が、官女の白瀧姫(しらたきひめ)と結ばれたことがきっかけという伝説があります。養蚕や織物の道に通じていた白瀧姫が桐生に移り住んだことで、絹織物の技術を桐生の人々に伝え、桐生織が始まったといわれています。さらに、19世紀前半には幕府の保護を受け、金襴緞子(きんらんどんす)や糸錦(いとにしき)のような高級織物を生産するようになり、この技法・技術は今の桐生織に引き継がれています。桐生織の7つの技法(お召織り/緯錦織り/経錦織り/風通織り/浮経織り/経絣紋織り/綟り織り)は、1977年に通商産業大臣(現・経済産業大臣)から指定を受け、伝統的工芸品として技術の継承を行っています。

写真提供/桐生織物協同組合