博多織
読み・はかたおり
産地・福岡県福岡市
博多織は、770年以上もの歴史がある福岡県福岡市の博多を中心に生産されている織物の総称です。細い経糸を多く用い、太い緯糸を筬で強く打ち込み、主に経糸を浮かせて柄を織り出しているため、生地に張りがあり、締めやすく、緩みにくいのが特徴です。中国の王朝・宋から、博多の商人が持ち帰った織の技法がルーツといわれ、江戸時代、筑前福岡藩の初代藩主である黒田長政が徳川幕府への献上品に選んだ特別な織物で、「独鈷と華皿文様」の博多織を毎年幕府に献上したことから、「献上博多」や「献上柄」と呼ばれるようになりました。博多織の製造工程の中で最も重要な「仕掛け」とは、図柄を作るため糸を織機にかける準備の工程のことで、帯によっては15,000本以上にもなる経糸を1本ずつ決められた順番で、1mmにも満たない小さな穴に通していきます。織りの種類が豊富で、「平地」「間道」「本袋」、夏用の「粗紗」などがあります。1976年、伝統工芸品に指定されました。
<博多織工業組合>