久留米絣
読み・くるめがすり
産地・福岡県久留米
久留米絣は、複雑で繊細な柄と素朴な藍色を特徴とする木綿絣です。通気性がよく、夏は涼しく、冬は熱が放出されにくいため暖かく感じられます。着るほどに馴染み、風合いが増すのが特徴です。愛媛の「伊予絣」、広島の「備後絣」とともに日本三大絣のひとつとされています。1800年ごろ、井上伝という12歳の少女が生み出した織物といわれています。藍染めの着物を何度も洗うと色が抜け落ちて白い斑点ができることから、この斑点を調べるため糸を解き、現れた糸と同じように新しい糸を染めたことがきっかけと伝わっています。久留米藩の奨励により日本全国に普及し、昭和初期頃には最盛期を迎え、200万反以上もの久留米絣が生産されていました。作業工程は図案から整反まで29もの工程を経て完成します。久留米絣の技法は1957年に国の重要無形文化財に指定され、1976年には経済産業大臣指定伝統工芸品に指定されています。
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