越後上布/新潟県

越後上布

読み・えちごじょうふ
産地・新潟県南魚沼市、小千谷市

大麻ではなく苧麻を用いた織物で、平織のものは越後上布、縮織のものは小千谷縮と区別されています。749~757年に越後国久疋郡から朝廷に献上された「越布」が正倉院に収められ、上布の最高級品であり「東の越後、西の宮古」と呼ばれる日本を代表する織物のひとつです。越後上布の魅力は、手績みの麻糸とともに、複雑な経緯絣文様にあります。緯糸を模様のついたテープを平行に張り、絣模様の位置を糸に写し、綿糸で染めたくない部分を縛る「くびり」作業を行います。くびりは高度な技術が必要で、熟練の職人は1日で2000回くびりを続けることもあるといいます。1955年に重要無形文化財に指定され、その要件には、①すべて苧麻を手うみした糸を使用すること ②絣模様を付ける場合は、手くびりによること ③いざり機で織ること ④しぼとりをする場合は、湯もみ、足ぶみによること ⑤ さらしは、雪ざらしによること、が満たされなければなりません。2009年にはユネスコの無形文化遺産保護条約「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」にも登録されました。

越後上布

越後上布・小千谷縮布技術保存協会