備後絣/広島県

備後絣

読み・びんごがすり
産地・広島県福山市

備後絣は、広島県福山市、新市町一帯で生産されている木綿絣。藍色の地にはっきりとした絣模様が特徴で、愛媛の伊予絣、福岡の久留米絣とともに日本三大絣のひとつとされています。江戸時代末期の1853年に,現在の福山市芦田町に住んでいた富田久三郎が織物の研究を重ね,製作技法を考案して作った絣織物が発祥とされ,最初に織った模様が井桁模様といわれています。当初は「文久絣」と呼ばれていましたが、明治時代に入ると品質改良が進んで、その美しさから注目されるようになり、「備後絣」と呼ばれ全国出荷されるようになりました。昭和30年代には年間300万反も生産され全国一の絣の生産量を誇り、国内の絣生産の7割を占めていました。今では、絣の単純素朴な色彩やデザインは和服・洋服だけでなく小物などにも利用されています。