阿波しじら織
読み・あわしじらおり
産地・徳島県徳島市
阿波しじら織は、凹凸のあるシボによる独特の風合いと美しさが魅力の夏用の木綿織物です。18世紀の末に徳島の阿波地方で盛んに織られており、明治初期に阿波国名東郡安宅村(現徳島市安宅)の海部ハナが、「たたえ織」と呼ばれる木綿縞を改良しておられるようになったといわれています。改良の背景に、干していた着物が雨に濡れ、その後日光で乾かしたところ、縮んだことにヒントを得て創られたと伝わっています。張力差を計算して柄や模様を整えることから、卓越した技術と経験が必要とされます。夏は、シボがあることで肌触りがよく、汗をかいても肌に張りつかず重宝されています。1978年に天然の阿波藍料を使用した阿波しじら織が「阿波正藍(しょうあい)しじら織」として、経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定され、とくしま市民遺産にも選定されています。