甲州大石紬織物/山梨県

甲州大石紬織物

読み・こうしゅうおおいしつむぎおりもの
産地・山梨県南都留郡富士河口湖町大石地区

甲州大石紬織物は、機業で古い歴史を持つ河口湖の北岸に位置する大石地区(旧・大石村)で生産される絹織物です。大石地区では天保年間にはすでに黄縞の紬織りが産出されていたと言われている。大石で生産される織物の総称を大石紬と言い、その中には「大石紬」と「大石可良糸織り(唐糸織り)」とがある。明治、大正、昭和、平成と時代が進むにつれて生産工程や道具に改良が加えられてきたが、養蚕・製糸・撚糸・染色・製織の一貫生産は現在も変わらず行われている。古くから、座繰りによる製糸方法を取り入れており、わずかながら経緯糸または緯糸にのみ真綿から作られる紬糸を用いた紬も生産されてきた。現在は、正式名称を「甲州大石紬織物」といい、1994年に山梨県指定の郷土伝統的工芸品に指定された際の伝統的な製法(経糸に本繭の座繰り片撚り糸、緯糸に無撚の玉糸を用いた先染または白無地)で反物が生産されています。

写真提供/山梨県産業技術センター

甲州大石紬織物
写真提供/大石紬伝統工芸館