広瀬絣/島根県

広瀬絣

読み・ひろせがすり
産地・島根県安来市

広瀬絣とは、島根県安来市広瀬で生産されている絵絣です。和紙に柿渋を塗り文様を縦長に拡大して切り抜く独特の型紙を使い手括りし、絵模様と幾何模様とを組み合わせた大柄な模様が特徴です。広瀬絣は、1824年に町医者の妻、長岡貞子が米子の弓浜絣の技術を習得して帰郷し、婦女子に広めたのが始まりといわれています。松江藩の支藩の広瀬藩は農地の少ない地形のため、農家・町家の内職に絣織を奨励。広瀬藩の絵師・堀江友声の図案で織られた絣も多くあったそうです。現代にも通じる図柄が多く、高機で絣糸を文様通り織り上げる作品は、斬新かつ手作りによる素朴で自然な味わいを持ちます。弓浜絣・倉吉絣と並ぶ山陰の代表的な絣であり、島根県の無形文化財に指定されています。