有松・鳴海絞/愛知県

有松・鳴海絞

読み・ありまつなるみしぼり
産地・愛知県名古屋市有松、鳴海地区

有松・鳴海絞とは、愛知県名古屋市の有松、鳴海地区を中心に生産されている絞り染めの総称。1596~1615年、名古屋城築城の手伝いとして、豊後(現在の大分県)から来た人により絞の技法が伝えられたといわれています。その技法を用いて、竹田庄九郎が手ぬぐい(豆しぼり)をつくり、「九九利絞(くくりしぼり)」として売り出したのが始まりと伝えられいます。「括り」の技法は、蜘蛛絞(くもしぼり)、嵐絞(あらししぼり)、雪花絞(せっかしぼり)など約100種類にも及び、手づくりならではの味わいを生み出しています。製作工程は、図案通り型紙を彫り、布地に青花液(あおばなえき)を用いて下絵刷りをし、その布を綿糸で括り、染め上げます。糸で括られた部分には染料が乗らず、糸抜きをすると様々な模様が浮かび上がります。最後に蒸気をあてて、湯のしをして完成します。それぞれ専門の職人が担当し、完成までに50~60日かかります。振袖、訪問着などの絹織物から、木綿の浴衣や服地、インテリア等まで、幅広い製品がつくられています。1975年に伝統的工芸品に指定されました。

有松・鳴海絞