明治記念館で味わう懐石料理と和のアフタヌーンティー【東京】|麗し着物日和 Vol.17

着物姿が映える名所・名店を訪ねる「麗し着物日和」。今回は東京・元赤坂にある「明治記念館」へ。結婚式場として広く知られる一方、その歴史は明治時代の迎賓施設にまで遡ります。都心とは思えないほど緑豊かな庭園、懐石料亭「花がすみ」で味わう四季の日本料理、そして夏の夕暮れに灯る篝火。婚礼の日だけではない、着物でゆっくりと時間を過ごしたい場所としての明治記念館を紹介します。

迎賓の歴史と豊かな緑を受け継ぐ明治記念館

「明治記念館」と聞くと、結婚式場を思い浮かべる方も多いかもしれません。現在の本館の前身は、明治14年(1881)に赤坂仮皇居に建てられた「御会食所」。宮廷外交のために設けられ、明治宮殿が完成するまでの間、外国皇族との会食など御饗宴が開かれ、明治21年には、大日本帝国憲法草案を審議する御前会議の舞台にもなっています。そうした歴史的な風格とともに、明治記念館を印象づけるのが豊かな自然です。

元赤坂という都心にありながら、敷地内には約1,000坪の庭園が広がり、およそ2,000本、50種類の樹木が一年を通して緑をたたえています。空の広さと芝生の緑に包まれる景色は、東京の中心にいることを忘れさせるほど。歴史ある建築と庭園。そのどちらにも着物姿が自然と馴染みます。結婚式のためだけではなく、着物で食事や散策を楽しむお出かけ先として訪れたい場所です。

四季を映す懐石料亭「花がすみ」

明治記念館の豊かな緑の先、石畳の小路に佇むのが懐石料亭「花がすみ」。日本の伝統の中で磨かれてきた日本料理を礎に、四季の移ろいを意識した食材を選び、一皿、一椀の中に料理人の感性を映し出します。旬の味覚だけでなく、盛り付けや器、色彩まで含めて季節を表現する、懐石ならではの美意識が魅力です。

客室は全7室、すべて個室。椅子席と掘りごたつ席が用意され、周囲を気にせず静かに食事を楽しめるのも特徴です。帯や袖まわりを気にする着物での食事では、こうしたゆとりのある個室空間が嬉しいもの。料理だけでなく、設えやおもてなしまで含めて、日本料理の時間をゆっくり味わえる料亭です。

懐石から続く和のアフタヌーンティー

「花がすみ」では、季節に合わせて和のアフタヌーンティーも展開されています。和のスイーツに加え、軽食を取り合わせた季節限定メニューを提供。日本料理店ならではのセイボリーから甘味へと、季節の味覚を一続きに楽しめる構成です。一品一品が小ぶりに仕立てられているのも、着物で訪れる際には嬉しいポイント。一口、二口ほどでいただける料理が多いため、口元や衿元を気にしながらでも食べやすく感じます。華やかなスイーツを中心としたホテルのアフタヌーンティーとはまた異なり、懐石料理の美意識をそのまま甘味へとつなげていく。ここに、「花がすみ」で味わう和のアフタヌーンティーならではの魅力があります。

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篝火を眺めながらカクテルタイム

食事の前後には、明治記念館の館内や庭園にも足を延ばしたいところ。歴史ある建物を背景に広がる芝生と木々は、着物姿とよく調和します。季節や時間によって変わる自然の表情を眺めながら歩けば、食事だけを目的に訪れるのとはまた違う、ゆったりとした時間が流れます。夏には、夕暮れの庭園で開かれるビアテラス「鶺鴒」も明治記念館ならではの楽しみ。芝生の庭に篝火が灯り、日中の明るい緑は次第に夜の景色へ。カクテルを片手に篝火を眺めながら、昼から夕暮れへと移ろう時間を味わうことができます。食事、庭園、建築、そして夕景まで。ひとつの場所で時間の変化そのものを楽しめることも、明治記念館を着物で訪れたくなる理由のひとつです。

この日の着物コーディネート

この日の羽織は、和裁士・鈴木榮治先生が生み出した特殊技法「陽炎仕立て」。アンティークの着物生地を柄に沿って裁断し、紗の生地の裏側に重ねて仕立てたものです。紗越しに柄がほのかに浮かび上がり、生地を重ねているとは思えないほど縫い目が見えないところに、高度な和裁技術が表れています。着物は、山本富男先生の天目染の小紋で。帯には、アンティークの丸帯を名古屋帯へと仕立て直したものを合わせました。古い布を今の装いへと甦らせる羽織と帯。そして、歴史ある建物を現代へと受け継ぐ明治記念館。
「受け継ぎ、今に生かす」—そんな共通する美意識を重ねた装いにしました。

結婚式だけではない着物で訪れたい明治記念館

迎賓の歴史を伝える建築、都心とは思えない豊かな緑、四季を映す日本料理。明治記念館には、日本の美意識を感じながらゆっくりと時間を過ごせる魅力があります。「花がすみ」で季節の料理を味わい、庭園を歩き、夕暮れには篝火の揺らめきを眺める。昼から夜へと移ろう景色まで含めて、一つの物語のように過ごせる場所です。歴史ある空間に着物を纏って身を置けば、建物や料理、庭園に受け継がれてきた日本の美意識が、いつもより鮮やかに感じられることでしょう。婚礼の日だけではない明治記念館へ。季節を纏い、東京の歴史を訪ねる着物時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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明治記念館
東京都港区元赤坂2-2-23
TEL:03-3403-1171
▶︎ 公式サイト
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