浜縮緬
読み・はまちりめん
産地・滋賀県長浜地方
滋賀県の長浜地方で生産されている絹織物で、「浜縮緬」とは「長浜縮緬」の略称です。浜縮緬は「シボ」と呼ばれる、表面に凹凸模様があるのが特徴で、生地に美しい光沢となめらかな肌触り、染色の染まりやすさを生み出しています。主に着物として仕立てられ、加賀友禅や京友禅にも使われる最高級の織物です。この地域には広大な桑畑が広がり養蚕が盛んでした。江戸時代中期に織物が始められ、彦根藩の手厚い保護で発展しました。浜縮緬は、長浜の豊かな水と織物に欠かせない湿度に恵まれた風土で育まれました。緯糸に強い撚(よ)りをかける作業は、長浜独特で八丁撚糸といいます。はじめに生糸を柔らかくするために熱湯で40〜50分炊き、常に水をかけて湿らせ、1メートルに2000〜3500回という撚りをかけます。水は伊吹山の雪解け水が伏流水となった地下水を使用。年中15℃で安定し、成分が変わらないので品質も保たれています。時代とともに、技術改良も進み、大正初期には力織機が導入され大きく発展していきました。
写真提供/浜縮緬工業協同組合