フェアモント東京、空と水辺に映える着物時間【東京】|麗し着物日和 Vol.16

2025年7月、東京湾を望むウォーターフロントに誕生した、日本初の「フェアモント東京」。空と水辺が広がる開放的な景色、モダンアートを配した洗練のホテル空間、そして美食。鮮やかな瑠璃色の着物を纏い、ランチと館内散策を愉しんだ一日をご紹介します。

東京湾のほとりに建つ「フェアモント東京」

世界各地でラグジュアリーホテルを展開するフェアモントが、日本に初めて開いた「フェアモント東京」。東京・芝浦のウォーターフロントに位置し、高層階からは東京湾や都心の景色を一望できます。ホテルという非日常の空間でありながら、目の前に広がる空と水辺がどこか伸びやか。都会の中心にいることを忘れさせるような開放感があります。館内には複数のレストランやバーがあり、35階のラウンジ「Vue Mer(ビュメール)」からは東京湾を望むことができます。この日は、瑠璃色の着物でホテルへ。窓の外に広がる青空と東京湾の景色に、装いの色が静かに響き合います。

光とアートが織りなすモダンなロビー

フェアモント東京の空間を特徴づけているのが、館内を彩るインテリア。高い天井からリズミカルに吊り下がる照明、ブロンズや琥珀色を思わせる柔らかな光。その一方で、大きな窓から差し込む自然光と、ブルーを基調としたアートが空間に軽やかさを添えています。ロビー周辺には、曲線を生かした大きなオブジェやアート作品が点在。直線的な建築の中に有機的なフォルムが加わることで、館内を歩くだけでも視線が自然と動いていきます。
とりわけ印象的なのは、窓の外の東京湾までがインテリアの一部のように感じられること。ガラス越しに広がる空と水、木や石、金属を感じさせる館内の素材感が重なり、都会的でありながらどこか穏やかな空気をつくっています。
着物で訪れるなら、こうした現代的な空間との対比も楽しみのひとつ。クラシックなホテルとはまた違う、現代建築の中に着物を融合させる美しさを感じられる場所です。

東京の景色とともに愉しむ美食の時間

今回ランチに訪れたのは、35階のモダンブラッスリー「Kiln & Tonic(キルン&トニック)」。地中海や南カリフォルニアの海岸を思わせる開放的な雰囲気の中、薪火を生かした料理を楽しめるレストランです。シーフードや旬の野菜、薪焼きピザなど、素材の持ち味を引き出したメニューが揃い、テラスからは東京の景色を望むことができます。

大きな白いプレートに美しく盛り付けられた料理は、ホテルらしい端正さの中にも軽やかさがあり、窓の外に広がる景色とともに味わうことで、食事の時間そのものがフェアモント東京での滞在を印象づけます。

@fairmonttokyo 


そして、もうひとつ注目したいのがアフタヌーンティー。35階のラウンジ「Vue Mer(ビュメール)」では、フランスと日本のカフェ文化を取り入れたアフタヌーンティーが用意され、東京湾を望むラウンジやテラスでゆったりとしたティータイムを楽しめます。フェアモント東京全体でも、フレンチと日本のカフェ文化の融合をダイニングの特徴のひとつとして紹介しています。

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着物で訪れたい、空と水辺のホテル

フェアモント東京の魅力は、東京湾を望む開放的な眺望と、現代的なホテル空間。その洗練された景色の中に着物で身を置くと、和の意匠がかえって新鮮に映ります。伝統的な和空間で着物を楽しむのとは異なり、ガラスや光、都市の景観といった現代的な背景との対比を味わえるのも、このホテルならでは。館内にはアートや印象的な照明も多く、食事の前後に写真を残したくなる場所が点在しています。着物でホテルを訪れる楽しみを、空間そのものから感じられる一軒です。

この日の着物コーディネート

この日選んだのは、前田仁仙先生による染めの着物。深く澄んだ瑠璃色を基調にした一枚で、光を受けると色に奥行きが生まれます。仁仙先生は更紗文様を得意とし、鮮やかな発色を特徴とする染めの世界を築いてこられました。伝統的な格式にとらわれず、洋服やドレスのような感覚で楽しめる着物づくりが魅力でもあります。合わせたのは、絡風林の洒落袋帯。淡い色調の帯を合わせることで、瑠璃色の着物の強さをやわらげ、ホテルのモダンな空間にもなじむ軽やかな印象にまとめました。洒落袋帯は、礼装用の袋帯とは異なり、主におしゃれ着として楽しむ帯です。そのため今回の取り合わせも、格式を前面に出した装いというより、上質な外出着としてのコーディネート。ホテルでのランチのように、華やかさは欲しいけれど改まりすぎる必要のない場には、こうした装いがよく似合います。
洋の空間だからといって、着物の格を必要以上に上げる必要はありません。着物と帯の格を揃えたうえで、色や素材、意匠をその場の雰囲気に合わせること。東京湾を望む現代的なフェアモント東京では、瑠璃色の着物と淡い帯の組み合わせが、空や水辺の景色にも自然に響き合いました。

景色と装いが響き合う場所

東京湾を望むフェアモント東京では、着物を「格式ある装い」としてだけでなく、景色を楽しむための一枚として選んでみるのも素敵です。空の青、水辺のきらめき、ガラスに映り込む都市の光。その日の景色から一色を拾い、帯や小物にそっと重ねれば、ホテルで過ごす時間そのものがひとつのコーディネートになります。ランチを味わい、アートのある館内を歩き、窓辺でふと足を止める。特別な予定を詰め込まなくても、着物を纏うことで、いつものホテル時間は少しだけ密度を増していきます。東京の空と海を背景に選んだ瑠璃色の着物もまた、その景色の一部へ。装いと場所が響き合った瞬間は、写真の中だけでなく、心の中にも静かに残っていくことでしょう。

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フェアモント東京
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