天草更紗/熊本県

天草更紗

読み・あまくささらさ
産地・熊本県天草市

異国風の鳥や草花模様が描かれた異国情緒豊かな柄や鮮やかな色合いが特徴的な天草更紗。更紗とは、インド起源の文様染めの織物のことで、日本で生産されているものは「和更紗」と呼ばれています。安土桃山時代にポルトガル人などがヨーロッパや中近東、インドなどの更紗を、長崎の出島を通じて天草に伝えたといわれています。江戸時代に入ると、技術を身に付けた職人により日本各地で更紗を模倣し、「和更紗」が生産されるようになりました。後継者がなく途絶えていた時期もありましたが、本渡(現在の天草市)の中村初義氏が中村染工場を開業し、天草更紗を復興。1964年、熊本県の重要文化財に認定。しかし、昭和工場は閉鎖に追い込まれ、またもや天草更紗は途絶えるも、染織家の中村いすずが再度復興に取りかかり、2002年に「平成の天草更紗」として再び復興を遂げました。