丹波布/兵庫県

丹波布

読み・たんばふ / たんばぬの
産地・兵庫県丹波篠山市

丹波布は、兵庫県の丹波地方で生産されている木綿平織の縞織物です。手織りで仕上げられ、絹糸をつまみ糸として緯糸に入れるのが特徴で、藍、栗の皮、こぶな草などの植物染料を用いて染め上げた糸が織りなす縞や格子柄が印象的です。布がふっくらとしていて、使うほどにしなやかで丈夫になり、手織りならではの優しい素朴な温かさが伝わります。丹波布の歴史は、文政年間(1818~1829年)に、播州木綿の影響を受けて織り始められたといわれています。明治中頃までは「縞貫」や「佐治木綿」と呼ばれ、綿から紡いだ手紡ぎ糸を縦横に用い、屑まゆから採った「つまみ糸」を横糸に交織させるため、通常の木綿布と風合いが異なり、多くの人に親しまれていました。丹波布の制作は、手で紡ぐ、草木で染める、手織りする、横に絹糸を入れるという4工程を一貫して一人で行います。現在は、国指定選択無形文化財/兵庫県伝統的工芸品に指定されています。

丹波布

写真提供/丹波布伝承館