島原木綿/長崎県

島原木綿

読み・しまばらもめん
産地・長崎県島原市

島原木綿は、丈夫で藍染糸を地色とした素朴な風合いの美しい柄が特徴的な木綿織物。一目一目丁寧に織り込まれ、模様には織り手の個性が表れている美しい木綿です。糸づくりから機で織るまでの全工程を手仕事で行い、一反を織るのに約3年かかることもあるといわれています。その歴史は古く、現在の島原市北部にあたる地域に住んでいた女性の副業は全て木綿織りであったと記録が残っており、丈夫で質が良い島原木綿は島原藩にも献上され、全国に流通していきました。明治・大正時代には、貿易品として最盛期を迎えましたが、次第に衰退し昭和初期には生産が途絶えました。しかし、1987年に「有明町歴史民俗資料館」が落成すると、有明町民の家に保管されていた手織機が寄せられ、「有明の歴史を語る会」を中心に島原木綿が復興されました。2010年に島原市無形民族文化財に指定され、現在は島原木綿保存会により「平成の島原木綿」として、保存・継承されています。