小倉織/福岡県

小倉織

読み・こくらおり
産地・福岡県北九州市

小倉織は、地厚で丈夫、なめらかな縦縞模様が特徴的な木綿織物です。経糸が通常の織物の3倍の密度で織られ、なめし革のような風合いが個性的で「小倉木綿」とも呼ばれています。1600年ごろがはじまりといわれ、豊前小倉(現在の北九州市)で武士の袴や帯として織られました。小笠原藩士の妻たちが綿を栽培し、糸を紡ぎ、織った布は特産品として全国で珍重されました。徳川家康が鷹狩りの際の羽織として愛用したと記録に残っており、徳川美術館には江戸時代中期の狂言装束として「縞小倉羽織」が収蔵されています。1848~1854年頃が最盛期で、全国に流通していましたが、小倉藩の産業政策の失敗や長州藩との戦いで職人が離散したことで次第に衰退。300年以上続いた小倉織は、昭和初期に一度途絶えましたが、染織家の築城則子が試行錯誤の末、1984年に復元に成功。ファッション、インテリアなど多分野への用途に広がっています。