喜如嘉の芭蕉布/沖縄県

喜如嘉の芭蕉布

読み・きじょかのばしょうふ
産地・沖縄県大宜味村喜如嘉

沖縄に自生しているバナナ(実芭蕉)の仲間である糸芭蕉の繊維をとり、草木染めの糸で織った「芭蕉布」。空気のように軽やかで張りがあり、耐久性と通気性が良いのが特徴です。芭蕉布は13世紀頃には既に沖縄で織られていたといわれ、16世紀には中国への貢物や貿易品として使われていました。涼しく、さらりとした手触りの芭蕉布は、夏の衣服として重宝され、身分を問わず人々に愛用されてきました。江戸時代になると、日本本土にも芭蕉布が流通するようになりました。しかし、第二次世界大戦後に途絶えつつあった芭蕉布を沖縄の大宜味村・喜如嘉の平良敏子さん(重要無形文化財保持者)が、長年の研究成果をもとに独自の芭蕉布の作風を確立し、復興。伝統が今も受け継がれています。芭蕉布づくりは、糸芭蕉を育てる畑仕事から始まり、糸芭蕉の繊維を採り出し(苧倒し)、糸を染めて織り上げ、全ての工程を今も手作業で行っています。
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写真提供/喜如嘉芭蕉布事業協同組合