津軽刺し子/青森

津軽刺し子

読み|つがるさしこ
産地|青森県弘前市

津軽刺し子は、青森県弘前市を中心に津軽部の農村において独特の風習により伝わった民芸品。刺し子とは、布地に糸で幾何学模様の図柄を刺繍で美しく縫い込んだもので、「津軽こぎん刺し」ともいわれています。江戸時代、雪の多い地域で暮らす津軽の農家の女性たちが、強度と防寒のために、手織りした藍染の麻地に精巧な模様を刺し、発展していきました。刺し子は特に東北地方で盛んで、津軽地方のこぎん刺し、青森県南部地方の菱刺し、山形県庄内地方の庄内刺しがあり、3つを合わせて日本三大刺し子と呼ばれています。

こぎん刺しの種類と特徴
「東こぎん」
岩木川を境に、お城のあった弘前市から東側、黒石市、平川市、弘前市石川地区などでつくられた。太めの粗い麻糸で織った布に刺したものが多く、前身頃から後ろ身頃にかけて同じ模様を施したものが多い。

「西こぎん」
岩木川をはさんで弘前市の西側、西目屋村、弘前市岩木地区、弘前市相馬地区などの里山エリアでつくられた。苧麻(からむし)の細い糸で織った布に刺されたため、模様が大変緻密。肩の部分には黒糸と白糸で交互に刺した縞があることから「縞こぎん」とも呼ばれている。

「三縞こぎん」
岩木川の下流にあたる旧金木町(現五所川原市)を中心に旧車力村・木造町(ともに現つがる市)でつくられたもの。鮮やかな太い三つの縞模様が特徴。現存するものは非常に少なく、大変貴重である。

「モドコ」
こぎん刺しの基礎模様は「モドコ」と呼ばれ、現在40種類ほど存在します。これらを巧みに組み合わせることで、より大きく美しい幾何学模様が生み出されます。