
着物姿が映える名所・名店を訪ねる道中記。今回は東京・銀座にある東京エディション銀座を訪ねました。建築家・隈研吾氏が「織る」をコンセプトに手がけたこのホテルは、日本の伝統美と現代的なデザインが美しく調和するラグジュアリーホテルです。アフタヌーンティーを楽しみながら館内を巡り、ルーフトップバーで夕景を眺める。着物が映える東京エディション銀座の魅力をお伝えします。
目次
「織る」という思想が息づく東京エディション銀座

銀座二丁目の街並みに静かに溶け込む東京エディション銀座。建築を手がけた隈研吾氏が掲げたコンセプトは「織る」です。経糸と緯糸が重なり一枚の布が生まれるように、日本の伝統文化と現代のデザインが調和する空間が創り上げられています。ファサードには異なる質感のメタルが織物のように重なり合い、街に上質なリズムを与えています。一歩館内へ足を踏み入れると、ウォールナットを基調とした温もりある空間が広がり、木製格子や柔らかな照明が落ち着いた雰囲気を演出します。
豪華さを前面に押し出すホテルではなく、素材そのものの美しさで魅せるホテル。その美意識は、日本の工芸や着物ともどこか通じるものがあります。
Sophie at EDITIONで味わうアフタヌーンティー

アフタヌーンティーをいただいたのは「Sophie at EDITION」。大きな窓から自然光が差し込む店内は開放感があり、時間帯によって表情を変えていきます。この日いただいたアフタヌーンティーは、季節感あふれるスイーツとセイボリーが美しく並び、一皿ごとに丁寧な仕事が感じられました。鮮やかな色彩でありながら派手すぎず、上品にまとめられた世界観は、まるで一つの作品を鑑賞しているようです。

着物とアフタヌーンティーには、どちらも季節を愛でる文化という共通点があります。旬の素材を味わい、その日のテーマカラーに合わせて装いを選ぶ時間もまた、この体験の楽しみの一つです。窓辺でゆっくりと紅茶を味わう午後は、忙しい日常から少し距離を置き、自分自身と向き合う穏やかな時間にもなります。
東京エディション銀座を着物で訪れたい理由

東京エディション銀座の魅力は、建築そのものが持つ美しさにあります。華美な装飾で魅せるのではなく、素材や質感、光と影によって空間を構成するその佇まいは、着物の美意識ともどこか通じるものがあります。特に印象的なのは、ホテルの随所に感じられる「織る(Weave)」というコンセプト。木製格子やウォールナット、繊細な陰影が織りなす空間は、織物や染織品を眺めるときの感覚にもよく似ています。
なかでも2階のバーラウンジ「Punch Room」は、その世界観を象徴する空間です。天井や壁面には、経糸と緯糸が交差するような格子状のデザインが施され、伝統的な織物の構造美を現代建築へと昇華しています。着物を愛する人なら、その意匠に西陣織や紬の組織を重ね合わせ、思わず足を止めて見入ってしまうことでしょう。

館内には落ち着いた色彩が用いられ、着物姿が自然に溶け込みます。ロビーやレストラン、廊下に至るまで絵になる空間が広がり、どこを切り取っても一枚の作品のよう。銀座という街の洗練された雰囲気も相まって、小紋や御召、生紬など、都会的で上質な装いがよく映えるホテルです。「着物を着てホテルへ行く」のではなく、「建築や空間を味わうために着物を纏う」。そんな感覚を自然と抱かせてくれる場所です。
建築を愉しみながら館内を巡る

アフタヌーンティーの後は、ぜひ館内をゆっくり歩いてみてください。ロビーから客室フロアへ続く廊下、ギャラリーのように写真作品が並ぶ壁面、柔らかな光が差し込むラウンジ。それぞれが異なる表情を見せながら、一つの世界観でつながっています。歩くたびに木の質感や照明の陰影が変化し、視線を向ける場所によって新しい発見があります。ホテルというより、美術館を散策しているような感覚。建築そのものが滞在体験の一部となっていることを実感しました。写真好きの方なら、時間を忘れてシャッターを切りたくなる場所が数多くあります。
ルーフトップやバーで愉しむ銀座の夕暮れ

東京エディション銀座を訪れたなら、アフタヌーンティーだけで帰るのは少しもったいないかもしれません。まず訪れたいのは、最上階にあるルーフトップバー「The Roof」。色鮮やかなクッションが並ぶソファ席から眺める夕暮れの空は、都会の中心とは思えないほど開放的です。

銀座の街を吹き抜ける風を感じながらグラスを傾ける時間は、日中の喧騒を忘れさせてくれるようでした。空が少しずつ茜色から藍色へと移ろう景色を眺めていると、このホテルが「滞在そのものを愉しむ場所」であることを実感します。

日が暮れたら、二階のバーラウンジ「Punch Room」へ。木製格子に包まれた落ち着いた空間には、柔らかな間接照明が灯り、昼間とはまったく異なる表情が広がります。静かに流れる時間のなかで一杯を味わえば、一日の締めくくりにふさわしい豊かなひとときとなるでしょう。
昼はアフタヌーンティー、夕方はルーフトップ、夜はバーラウンジへ。時間帯によって異なる表情を楽しめることも、東京エディション銀座ならではの魅力です。
この日の着物コーディネート

この日は、しょうざんの茶屋辻文様が描かれた単衣の着物を選びました。自然の風景を穏やかに描いた茶屋辻の意匠と、生紬ならではの節感のある風合いは、素材の美しさを大切にした東京エディション銀座の空間と美しく調和します。帯には、西陣の老舗「織悦」の海松の丸文を合わせました。淡いグリーンを基調に、控えめな金彩が品よく織り込まれた一本です。華美に主張することなく、静かな華やぎを感じさせるその表情は、銀座という街が持つ洗練された空気にも自然と馴染みます。

木や石、金属など異なる素材が美しく調和する東京エディション銀座では、着物もまた、色や柄で魅せるだけでなく、素材感や織りの質を愉しむ装いがよく似合います。建築と工芸、それぞれの美意識が響き合う空間だからこそ、着物そのものの魅力を改めて感じることができるでしょう。
▶️ Instagramでしょうざんの生紬で訪れた「東京エディション銀座」を見る。
東京エディション銀座
東京都中央区銀座2-8-13
TEL:03-6228-7400
▪️ Sophie at EDITION 営業時間
朝 07:00〜11:00 (10:30 LO)
ランチ 12:00~15:00(LO14:30)
ティー 15:00~17:00
ディナー 17:30~22:00(LO21:00)
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