パレスホテル東京で愉しむ皇居外苑の眺めと3種の着物スタイル【東京】|麗し着物日和 Vol.12

パレスホテル東京の日本料理・和田倉で皇居外苑を望む花柄着物の女性。
Woman in floral kimono dining at Wadakura, Palace Hotel Tokyo, overlooking the Imperial Palace Outer Gardens

着物姿が映える名所・名店を訪ねる道中記。今回は東京・丸の内にあるパレスホテル東京を1泊2日で訪ねました。皇居外苑の豊かな緑と水辺に寄り添うこのホテルは、江戸から続く景色の記憶と、現代の都市景観が静かに重なり合う場所です。景色、時間、食に合わせてパレスホテル東京で愉しむ、3種の着物スタイルをご紹介します。

皇居外苑の景色とつながるパレスホテル東京

パレスホテル東京から望む皇居外苑の緑と丸の内・東京の都市景観。
View of the Imperial Palace Outer Gardens and Marunouchi skyline from Palace Hotel Tokyo

東京駅からほど近い丸の内にありながら、皇居外苑の緑と水辺に寄り添うように建つパレスホテル東京。窓の向こうには皇居外苑の豊かな木立が広がり、その先には丸の内の端正な街並みが続きます。高層ビルが並ぶ東京の景色のなかに、水と緑、空の広がりが残されていること。そのバランスが、この場所ならではの静けさを生み出しています。

着物で訪れると、空間の見え方も少し変わります。帯の織りや袖に落ちる光、窓辺に立つ姿、歩くたびに揺れる裾。装いが景色の一部となりながら、その日の時間をより丁寧に受け取らせてくれるようです。

御召で愉しむ「プリヴェ」のアフタヌーンティー

パレスホテル東京6階プリヴェで御召を纏いアフタヌーンティーを楽しむ着物姿の女性。
Woman wearing an omeshi kimono enjoying afternoon tea at Lounge Bar Privé, Palace Hotel Tokyo

6階のラウンジバー「プリヴェ」は、大きな窓の外に皇居外苑の緑と水辺、その先に広がる丸の内の街並みを望む空間です。皇居外苑を望む午後には、端正な表情を持つ御召がよく似合います。

御召は、江戸時代に11代将軍・徳川家斉が好んで着用したことから、その名で呼ばれるようになったと伝えられる着物です。江戸城の記憶を受け継ぐ皇居外苑の緑を望みながら御召を纏うと、歴史を再現するのではなく、江戸から続く美意識に現代の東京でそっと触れるような時間になります。しなやかさのなかにほどよい張りがあり、織りによって細やかな表情が生まれる御召。光の加減によって見え方が変わる質感は、石やガラス、空の青が交わるホテルの空間とも自然に響き合います。

パレスホテル東京・プリヴェのアフタヌーンティーと皇居外苑を望む窓辺の景色。
Afternoon tea at Lounge Bar Privé, Palace Hotel Tokyo, overlooking the Imperial Palace Outer Gardens

「プリヴェ」でのアフタヌーンティーは、季節のスイーツとセイボリーが美しく並び、午後の時間に華やぎを添えてくれます。けれど、ここで味わいたいのは料理だけではありません。紅茶を注ぐ手元、窓辺に落ちる光、帯の織りと空の色が響き合う瞬間。着物で過ごすアフタヌーンティーは、日常の所作を少しだけ丁寧にしてくれる時間です。

ロイヤルブルーの着物で過ごすテラス付き客室の夜

パレスホテル東京のテラスで夕景を望む、前田仁仙のロイヤルブルーの鳳凰文着物の女性。
Woman in a royal blue phoenix-pattern kimono on the terrace at Palace Hotel Tokyo, overlooking the Tokyo skyline at sunset

アフタヌーンティーの後はチェックインし、テラスから景色を望む客室へ。昼の御召から着替え、前田仁仙さんによる鳳凰文の着物を選びます。ロイヤルブルーの深い地色に浮かぶ鳳凰の意匠は、夕暮れから夜へと移ろう空の色や、丸の内に灯り始める街の光と美しく響き合います。テラスに出ると、和田倉噴水公園の水辺と緑、その先に広がる丸の内の街並みが視界いっぱいに広がります。日が傾くにつれ、空は淡い青から茜色へ、そして深い藍色へ。やがて街の灯りが少しずつ浮かび上がり、昼とは異なる東京の表情が現れます。そして日が暮れると、和田倉噴水公園の水辺の向こうに、虎ノ門方面まで続く東京の夜景がゆっくりと浮かび上がります。

パレスホテル東京のテラスで楽しむルームサービスディナーと皇居外苑の夜景。
Room service dinner on a terrace at Palace Hotel Tokyo with Marunouchi night views

テラス付き客室では、ルームサービスのディナーを景色とともに味わうという過ごし方もおすすめです。レストランとは異なり、景色も時間も自分たちのためにあるように感じられるひととき。グラスを傾けながら、遠くに連なるビルの灯りと、水辺の深い影を眺める夜は、東京の中心にいながら少し遠くへ旅をしたような気分にさせてくれます。

パレスホテル東京のテラス付きの部屋でワインを手に夜景を眺める、鳳凰文の着物を纏った女性。
Woman in a phoenix-pattern kimono enjoying Marunouchi night views with wine from the terrace at Palace Hotel Tokyo

鳳凰は、古くから瑞兆や再生を象徴する意匠として親しまれてきました。夜景を背景に纏うロイヤルブルーの着物は、華やかでありながらも夜の静けさに馴染む、凛とした存在感があります。

夜の館内で味わう、花とアート

パレスホテル東京のロビーアート前に立つ、前田仁仙のロイヤルブルーの鳳凰文着物の女性。
Woman in a royal blue phoenix-pattern kimono standing before lobby artwork at Palace Hotel Tokyo

テラスでのディナーを終えた後は、そのまま鳳凰文の着物で館内へ。夜のパレスホテル東京は、昼とは異なる静けさを見せます。人の気配が落ち着いたロビーには季節の花が凛と生けられ、灯りに照らされたアート作品が壁面や空間のなかに静かに浮かび上がります。

パレスホテル東京の館内ラウンジに飾られた緑を描くアート作品とチェア。
Abstract green artwork and lounge seating inside Palace Hotel Tokyo

館内には、パブリックスペースや客室を含め、多彩なアート作品が配されています。食事や宿泊の合間に館内を歩く時間は、ホテルというより、小さな美術館を巡るようなひとときです。ロビーに生けられた花、廊下に飾られた作品、壁面に落ちる光。それぞれが独立して美しいだけでなく、歩くたびに異なる景色として立ち上がってきます。

ロイヤルブルーの地色に鳳凰が描かれた着物は、やわらかな照明を受けることで、昼とは違う表情を見せます。現代的な染めの表現、季節の花、ホテルのアート。それぞれを見比べながら歩くことで、着物は空間を味わうための視点にもなります。

パレスホテル東京を着物で訪れたい理由

パレスホテル東京のテラスから皇居外苑を望む、花柄の染め着物を纏った女性。
Woman in a floral dyed kimono overlooking the Imperial Palace Outer Gardens from the terrace at Palace Hotel Tokyo

パレスホテル東京を着物で訪れたい理由は、東京の中心にありながら、江戸から続く景色の記憶に触れられる場所だからです。皇居外苑の森、水辺、空の広がり。そして、その向こうに連なる丸の内の建築。ここには、歴史と現代が主張し合うのではなく、静かに共存するような風景があります。
着物もまた、過去のものをそのまま残すための装いではありません。織り、染め、文様、素材に受け継がれてきた時間を、今の自分の暮らしのなかで纏うものです。

例えば、皇居外苑を望む「プリヴェ」では、江戸の装いの記憶を受け継ぐ御召を。夜景を楽しむテラスでは、鳳凰文のように大胆で現代的な染めを。「和田倉」で味わう日本料理には、季節の花を描いた着物を。景色や時間、食に合わせて装いを選ぶと、ホテルで過ごす時間はより立体的になります。着物を着てホテルへ出かけるのではなく、東京という都市に残る静けさを味わうために装う。パレスホテル東京は、そんな一日を自然に叶えてくれる場所です。

大輪の花柄の着物で舌鼓を打つ「和田倉」の会席料理

パレスホテル東京・和田倉の個室で皇居外苑を望む花柄着物の女性と日本料理。
Woman in a floral kimono enjoying Japanese cuisine in a private room at Wadakura, Palace Hotel Tokyo, overlooking the Imperial Palace Outer Gardens

翌日の昼食には、日本料理「和田倉」へ。落ち着いた設えのなかでいただく日本料理は、パレスホテル東京のなかでも、また異なる静けさを感じさせてくれます。個室を選べば、周囲を気にせず、会話と料理、窓の外に広がる開放感をゆったりと味わえます。和田倉での昼食には、花が咲き誇る意匠の染めの着物がおすすめです。
器に盛られた料理、季節の食材、室内に添えられた花。日本料理の時間には、味わうことだけではなく、季節を目で楽しむ喜びがあります。花の文様を纏うことも、その一つです。

パレスホテル東京・和田倉で味わう、季節の前菜を盛り込んだ華やかな日本料理。
Seasonal Japanese appetizer course served at Wadakura, Palace Hotel Tokyo

着物の柄が料理や器、空間の色と静かに響き合うとき、装いはただの服ではなく、その日の時間を彩る一部になります。華やかな柄でも、帯や小物を落ち着いた色でまとめれば、和田倉の端正な空間に自然に馴染みます。記念日や家族との会食はもちろん、着物でゆっくり食事を楽しみたい日に選びたい一軒です。

景色とともに、装いが記憶になる

パレスホテル東京のロビーを彩る黄色のアート作品とモダンな照明
Yellow artwork and modern chandelier in the lobby of Palace Hotel Tokyo

午後の光に映える御召、夜景のなかで深みを増す鳳凰文、そして季節の料理に寄り添う花の染め。パレスホテル東京では、同じ場所でも時間が移ろうごとに景色の表情が変わり、装いにも新しい役割が生まれます。着物は、特別な場のためだけに選ぶものではありません。その日の景色や食、会いたい人、過ごしたい時間にそっと寄り添うもの。皇居外苑の緑、水辺に映る光、丸の内の夜景を前にした一泊二日は、装いとともに、静かで豊かな記憶になっていくことでしょう。

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パレスホテル東京

東京都千代田区丸の内1-1-1
TEL:03-3211-5211
▪️ ラウンジバー プリヴェ 営業時間
11:30~23:30 L.O.
日曜・祝日は11:30~21:30 L.O.
定休日:月曜・火曜
▪️ 日本料理 和田倉 営業時間
昼 11:30~14:30 L.O.
夜 17:30~21:00 L.O.
定休日:なし
▶︎ ホテル公式サイトを見る

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