長井紬/山形県

長井紬

読み・ながいつむぎ
産地・山形県長井市

長井紬は、山形県の長井盆地周辺で生産されている素朴で自然の風合いを感じる絹織物。紺色・茶色・ねずみ色などのものが中心で、絣の技法で織り出される大きめの文様が人気です。長井盆地周辺は江戸時代初頭から、織物の原料となる青苧の主要生産地で、越後方面に出荷され、新潟県の重要無形文化財である越後上布にも使われました。長井紬は、米琉絣と呼ばれる絣模様が魅力で、絣糸を緯糸に使う緯絣という方式がとられています。絣糸を染色するには、「くくり絣」が一般的ですが、長井紬では「擦り込み染絣」という染色した糸に、竹べらを使って色を擦り込む方法がとられています。これは、結城紬にも使われている方法で、擦り込み染の絣糸を使った着物には柔らかい風合いが生まれます。

写真提供/山形県