福光麻布/富山県

福光麻布

読み・ふくみつあさふ
産地・富山県南砺市

福光麻布は、原料の苧(カラムシ)の茎から糸を細かく裂いて紡ぐ作業をすべて手作業で行い、居座機または高機で手織した麻織物です。福光地方で麻布が初めて織られたのは794年といわれ、江戸初期頃から、加賀藩に奨励されたことで盛んに生産されました。1818~30年ごろには年間4万反、着物にすると4万着もの麻布を生産していました。宮中の御用布として天皇の即位や崩御の儀式にも用いられ、昭和天皇の大喪の礼における装束全てが福光麻布で作られていましたが、次第に衰退し、現在、生産量は少なくなっています。