遠州木綿
読み・えんしゅうもめん
産地・静岡県浜松市
遠州木綿とは、使えば使うほど、風合い・色合いが馴染んでくる木綿の織物です。静岡県浜松市がある遠州地方は、温暖な気候と豊かな自然に恵まれた土地から綿花の栽培に適し、江戸時代には三河、泉州とならび、綿の三大産地として栄えました。しかし、昭和中頃になると化学繊維の普及や洋装化の影響で、次第に衰退していきました。空気を含ませながら織り上げるため肌当たりがよいのが遠州木綿の特徴で、1つの布が完成するまで、7つの工程を別々の職人が織っています。そのため、1日の生産量はわずか着物2着分。大量生産にはない手仕事の温もりを感じることができます。