丸の内に国宝展示の美術館誕生

静嘉堂文庫美術館 展示ギャラリー(ホワイエ)完成予想図  資料提供:竹中工務店

三菱第二代社長の岩﨑彌之助と息子・岩﨑小彌太の父子のコレクションを収蔵する「静嘉堂文庫美術館」(東京都世田谷区)が、2022年10月1日に東京・丸の内の「明治生命館」の1階に移転オープンします。丸の内の新たなアートスポットとして、国内屈指の国宝・重要文化財が展示されるギャラリーは必見です。

岩﨑彌之助は、今日の三菱グループの礎を築いた人物で、日本の伝統的文化・美術を保護し、同時代の芸術作家たちを積極的に支援するとともに、絵画・彫刻・書跡・工芸までを幅広く購入していきました。公益財団法人静嘉堂には、和漢の古典籍約 20 万冊、東洋の古美術品約 6,500 件を所蔵し、その中には国宝 7 件、重要文化財 84件が含まれています。

「静嘉堂」の創設 130 周年および新美術館の開館を記念し開催される「響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき―」では、足利将軍家の所蔵品として記録が残されている国宝《曜変天目(稲葉天目)》など、7つの国宝を公開。

国宝《曜変天目(稲葉天目》 南宋時代(12-13世紀)

また、慶長~寛永期に京都で活躍した絵師で、尾形光琳、酒井抱一へと続く琳派の祖として知られる俵屋宗達による傑作で、1631年に京都・醍醐寺に納められていた『源氏物語』第十四帖「澪標」と第十六帖「関屋」も披露されます。

国宝 俵屋宗達 《源氏物語関屋澪標図屛風》[写真上:関屋図、写真下:澪標図]
江戸時代・寛永8年(1631)/展示期間:前期(10/1~11/6)

重要文化財の指定を受けた明治生命館で新たな歴史を刻みはじめる「静嘉堂」。美術館となる1階は、室内全体が壮麗な大理石造りで、高い天井からはガラス越しに自然光が差し込み、日々で異なる表情を見せる空間になっています。歴史ある近代洋風建築の中で、質量ともに圧巻の美術品の鑑賞をお楽しみください。

重要文化財「明治生命館」 (1934年竣工)

■概要■
静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念展Ⅰ
「響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき―」

会期:2022年10月1日(土)~12月18日(日)
[前期]10月1日(土)~11月6日(日)
[後期]11月10日(木)~12月18日(日)
開館時間:10:00~17:00(金曜は18:00まで)
    *入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜(10月10日は開館)、10月11日(火)、11月8日(火)、11月9日(水)
料金:一般1,500円 大学・高校生1,000円 中学生以下、無料
会場:静嘉堂文庫美術館
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-1-1

■お問合先■
静嘉堂@丸の内
TEL: 050-5541-8600(ハローダイヤル)
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