輪奈ビロード/滋賀県

輪奈ビロード

読み・わなびろーど
産地・滋賀県長浜市

表面に凸凹がある不思議な生地、輪奈ビロード。 生地表面の凸凹は輪奈(わな)と呼ばれるループ(タオル生地のパイルのようなもの)で柄を作ることによって生まれます。 輪奈ビロードには上品な華やかさがあり着心地は軽く、輪奈が柔らかな手触りをもたらします。 着る人だけでなく、見る人をも優雅な安らぎで包み込みます。輪奈ビロードは今から400年以上前、天文期にポルトガルより伝来したといわれています。 宣教師から贈られたこの珍しい織物のマントなど織田信長公をはじめとする戦国大名をも魅了しました。 江戸時代、慶安期には日本で生産がはじめられたと云われています。滋賀県長浜市には、江戸時代中期にその製法が伝えられ、その後ジャガード織機を使用した柄織が始められました。 以降、輪奈ビロードの肌触りを着尺地に生かす工夫がなされ、輪奈ビロードのコート地が誕生。 現代もコート地の最高級品を主軸として愛されており、滋賀県伝統的工芸品に指定されています。

輪奈ビロードの記事

輪奈ビロードの着尺
写真提供/浜縮緬工業協同組合