正藍武州紺織/埼玉県

正藍武州紺織

読み・しょうあいぶしゅうこんおり
産地・埼玉県秩父地方

正藍武州紺織は、経・緯糸ともに正藍で染め、洗えば洗うほど色が冴え、美しい風合いになっていく特徴があります。埼玉県羽生市・加須市は、古くから木綿と藍の栽培がさかんな地域で、1781年~1788年頃、この地域に藍染の技術が伝えられたと言われています。農家の主婦が農閑期を利用して家族の衣服をつくったのが始まりといわれ、最盛期には「武州青縞」とも呼ばれ、この地域の一大産業となりました。武州の正藍染めは、藍の葉から自然発酵建てでとった染料により染めるのが特徴で、手染めのため微妙な風合いがあり、さめるほど美しい色合いになります。糸の段階で染める糸染めと、布にしてから染める型染めのふたつの手法があります。青縞は、藍染した木綿で織った織物のことをいいます。当時は、紺屋が糸をかって賃機に出していましたが、現在では藍染めから製織までの一貫生産が行われています。また、近代化により、藍瓶はタンクに代わり、正藍は割建て(植物と化学藍の混合)に変わりました。現在、生産量は減少していますが、着物だけでなくハンカチやテーブルクロスなどの製品も生産されています。武州正藍染は、埼玉県伝統的手工芸品であり、2008年に特許庁の地域団体商標に登録されました。

写真提供/埼玉県産業労働部観光課