琉球絣/沖縄県

琉球絣

読み・りゅうきゅうかすり
産地・沖縄県島尻郡南風原町

琉球絣は、沖縄県の南風原を中心に織られている絣織物です。染色には、県内で採取される琉球藍、フクギ、テカチ染め等の植物染料及び化学染料を用いています。琉球絣の特徴は、およそ600種にものぼる多彩な幾何学模様で、植物、動物、生活用品などをモチーフにした図柄が琉球王国時代の「御絵図帳」を元に、現代の感覚を取り入れて作られています。糸を染めるために、図案をもとに少しずつ束ねた糸を計算された間隔で、模様の部分を1カ所ずつ手括りで締め上げていく手間のかかる作業が必要とされます。琉球絣は、緯糸を経糸の間に道具を投げ込んで手作業で織っていくという昔ながらの技法のため、1日に織り上げることができるのは、わずか1~2メートルにすぎません。琉球絣の歴史は、1612年頃にまで遡ります。大交易時代、インドから東南アジア各地に広がった絣が、沖縄に伝わり、これがのちの日本各地の絣のルーツになったといわれています。南風原町にある琉球かすり会館の近くには「かすりロード」と呼ばれる散策道があり、「織物のまち・南風原町」を体験することができます。